2019-10-25

2019年10月時点でのBoM考察

Bakes on MeshがFirestormに実装されて4週間ほど経ちました。
その間何人かの友人たちと”BoMってどうなの?”と話す機会があり、感じたことをいくつかまとめて…まとめられればいいんですがちょっと自信はないです…ができるだけやってみようと思います。
私の環境はMaitreya Body+Lelutka Meshhead Cateなので、その前提で書いています。

Bakes on Mesh(BoM)とは?
まず、Bakes on Meshはなにかというところからですが、私の解釈では”システムレイヤーをアプライヤのようにメッシュの表面に焼き付けられるシステム”です。
そういうシステムが計画されている、という話を耳にしたのはもうずっと前のことだった気がします。もしかしたら2016年くらい?もう少し後?いずれにせよ、それならシステムレイヤー捨てられないじゃんいつ実装されるのそれ…とやきもきしていました。
実際私の店、MusaではOmegaアプライヤと一緒にシステムレイヤーを同梱し続けてきましたが、それはこのBoM実装を想定してというのも一つの理由でした。

満を持して導入されたBoMですが、今はもうメッシュが当たり前すぎてシステムレイヤーという概念すら知らない人も少なくない2019年。
なぜ今更そんなシステムレイヤー復刻のようなシステムをLindenが導入してきたかというと、最大の理由は負荷の軽減にあるそうです。
というのは、現在普及しているメッシュボディ、メッシュヘッドは見えているボディ(ヘッド)の部分だけでなく、ボディならアプライヤによるタトゥ用やアンダーシャツ用やシャツ用、ヘッドならタトゥ用にアイシャドウ用にリップ用に…と、実際には何層もの透明レイヤーが覆っています。
イメージ的にはこんな感じです。
公式ではこれを玉ねぎの構造に見立ててOnion layerと呼んでいるので、ここでも以降そう呼びます。
なので一人のアバターが実際には何体分ものメッシュボディやヘッドを装着しているような状況になり負荷が大変なことになっているのですが、これを一つのメッシュに焼き付けられればオニオン状態を回避できて負荷が減らせるじゃない、というのがBoMなんですね。

…が、2019年10月の時点ではですが、メリットもデメリットも多く、なかなか難しいなというのが正直な感想です。

最大の問題はスキン
上で書いたとおりシステムレイヤーをメッシュに貼り付けられるのがBoMの利点ですが、普段の状態から何も変わらずにただシステムレイヤーを追加できるようになるわけではありません。

今までの状態をアプライヤモードとするなら、BoMが利用できる状態にするにはアプライヤモードからBoMモードにメッシュを切り替える必要があります。
メッシュそのものを付け替える必要はありませんが、対応個所を消しているアルファレイヤーを削除し、メッシュボディと元のシステムボディが重なって見えるような状態にして、各メッシュメーカーが用意したBakeスイッチを押すとBoMモードに切り替わります。(現時点ではMaitreyaはスイッチを別配布しており、後日HUDに組み込む予定だそうです。Lelutkaはver3.3以降HUDに搭載しています)

このBoMモードではスキンアプライヤは使えず、システムレイヤースキンのみを受け付けます。元に戻すにはアプライヤを使った段階でアプライヤモードに戻ります。
…つまり、BoMを使いたいと思ったらアプライヤではなくシステムレイヤースキンを用意しなければならず、私はここが一番の難所だと感じています。

もちろん使用したいスキンショップが早々に対応して2019年対応のきれいなシステムレイヤースキンを出してくれていればよいのですが、なかなかそうもいかないのが現状。FSにBoMが実装された10/1以降の新作でも、依然アプライヤのみをリリースし続けているお店も少なくありません…というよりもそれが大半な気がします。

きれいなシステムレイヤースキンを見つけられるか、さもなくば古いシステムレイヤースキンの中から使えそうなものを探すか…
古いスキンを使うにしても、システムボディは手足の指がメッシュボディとはだいぶ異なったために、当時のシステムレイヤーを使うと手足の指がおかしいことになります。
既に対策できる商品も出ているのでこれについてはそんなに問題ではないと思っていますが、完ぺきに合わせたい人はスキンメーカーの対応を待つしかないかもしれません。
また、システムレイヤーになるならアプライヤーに門前払いされることなく、他メッシュヘッド用に作られたスキンも試せるかな?と思ったのですが、試すことはもちろん可能なのですがUVマップが違うために、鼻の下がおかしくなってしまうことがほとんどでした。
これに関しては相性もあるとは思うのですが、根本的にはヘッドメーカー側が調整してくれないと無理かなあと感じています。

私が現在使用しているLeague Skinでは、手足の指の修正レイヤーは販売されていますが、肝心のスキンに関してはまだ未対応です。
古いシステムスキンを持っているため、体はそのスキンを使ってBoMモード、頭はアプライヤモードのままにして、古いシステムレイヤーの服を引っ張り出して遊びつつスキンの対応を待っていますが、これを機に他に乗り換えるのもアリかもと思っています…
最初にLeagueのスキンを使い始めたのが2012年なので、もう7年お世話になっているんですけどね…このお店から離れられなくなった理由がバストトップが描かれていないスキンが用意されていることだったんです。(透過問題があるのでタトゥだと役者不足)
でもそれはBoMを使うことで解決できそうだなという気もしていて…

BoMで透過問題が一部解決するかも
透過を含むテクスチャが貼られたメッシュが重なることで起きてしまう透過問題。
きれいに処理された毛先や遊び毛がメイクや服を透過させてしまって惨事になることは、誰しも経験があると思います。
これはさっきのオニオンレイヤーが髪や服のアルファと干渉してしまうから。
でもBoMなら同一メッシュの表面に複数のテクスチャを貼り付けられるので、回避できる可能性があります。
スキンやヘアベースが違うのは同じものをそろえられないので目をつぶっていただきたいのですが、ヘアベースがオニオンレイヤーではなくヘッドのベースのメッシュに直接焼き付けられるので、髪のアルファとの干渉が避けられるのです…!
今までこの問題で涙ながらに諦めた髪がたくさんあるので、このためだけでもBoM導入したくなります。
同様にメイクが消えてしまうのも避けられますし、体側もタトゥやシャツとの干渉を回避できます。

ただ一番よく起きる、髪とアルファ入りのメッシュ服の干渉はまたこれとは別の問題なのでどうしようもないですが…そういえば最近、Magikaがアルファが干渉しなくなるアップデートを発表しましたね。なぜそんなことができるのか、むしろそれが可能なら今までの髪業界はなぜやらなかったのか、それとも単にMagikaが天才なのか、私にはわかりませんがとにかく素晴らしいアップデート。ほかの髪屋もぜひ続いてほしいところです。

アルファカット問題も解決するかも
アルファカットの問題も解決しそうです。
メッシュボディが普及してからは、システムアルファレイヤーはただシステムボディ全身を消すためにしか使われなくなっていましたが、メッシュボディ以前の時代は、服に合わせたマスクテクスチャを入れたシステムアルファレイヤーを使って、服に合わせた形に体の一部を透過するのが主な利用方法でした。

この機能がBoMボディだと復活するようで、システムアルファレイヤーでメッシュボディをマスクに合わせて透過させることが可能になりました。
これによって服を着替えるたびに毎回HUDでカットを調整したり、ここを消したいけど消しちゃうとほかのところがおかしくなる…!なんてジレンマがなくなり、自由にカットできる日が来るかもしれません。服と一緒にシステムアルファレイヤーを着るだけで済むならとても楽ですよね。
現時点ではMaitreyaはまだ対応していないのですが、SLINKは既にこの機能を実装しているので、Maitreyaでもそう遠くないうちに使えるようになるのではないかと思っています。

Maitreyaはカット数が多いところも強みの一つだったので、他メーカーはMaitreya一強に一石投じる機会になるかもしれませんね。

アプライヤはどうなるの?
書いていて、わぁBoMやっぱりすごいじゃーん!って気分になってきましたが、肝心なのはアプライヤ。
現時点でオニオンレイヤーは残っているので、スキン以外のアプライヤに関してはBoMの上にオニオンレイヤーを使って表示させることが可能です。
…けど、思い出してください。そもそもBoMはオニオンレイヤーをなんとかなくすために作られたものだったはず…。
じゃあ将来的にはオニオンレイヤーはなくなる?そしたらシステムレイヤーしか使えない時代が来る…?

もしそうなったとしたら、2014年頃から今に至るまでに作られた作品のほとんどが無駄になり、アプライヤ関係はメッシュボディ以前に時代が巻き戻ってしまうことになります…。
いくらなんでもそんなSLが終了しかねない横暴はしないと思うので、きっとアプライヤからBoMに反映させる方法がそのうち実装されるのではないかと思っていますが、現時点ではBoM or Applierの構図は続きそうです。

また、じゃあBoMはオニオンレイヤーの完璧な後継になれるかといわれるとそこも疑問です。
というのはオニオンレイヤーって実際には身体からは少し浮いていて、アプライヤー用タトゥレイヤーはボディにほぼぴったり張り付くように、アンダーシャツとシャツに関しては少し余裕を持たせて作ってあるんですよね。(Maitreyaの場合です)
そのためアプライヤーではちゃんと服らしいシルエットになるのですが、BoMの場合だとボディペイントを施したように体にぴったりと張り付いてしまいます…。
みっともない画像になってしまって申し訳ないんですが、同じ服でもこれだけ変わります。
正直、このBoM状態で外を出歩く気にはなれないです…。
この辺りも将来的に改善してくれるのでしょうか?うーん、オニオンレイヤーをなくすことが主目的なら難しいような、でもこれじゃあ意地でもオニオンレイヤーを手放さない人も出てきそうな…。例えば一枚だけBoMが使えるシャツ用のオニオンレイヤーを残す、とかできないかなあ…。

あとはBoMだとシステムレイヤーになるから、アプライヤならHUDで30色とかひとまとめにできてたのが全部単独アイテムになって、インベントリきつくなっちゃうなあとか、でもアバターに重ねるレイヤー枚数は実質無制限になるから組み合わせの幅は広がるなあとか、いろいろ…

うん、案の定、まとめようと思いながら思いっきり長文になってしまいました…
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
現時点ではこんな感じでメリットもデメリットもあるBoMですが、そのうちこれもなくてはならない当たり前のシステムになっていくのかなぁと期待しています。
ここ違うよ、とか、こういう機能もあるよ、とかあったら教えていただけると助かります。

さて頭の中がBoMの事でいっぱいになってしまいましたが、明日の午後1時からはThe Monarchsのハロウィンショー、Fantasia Obscuraの第五公演が始まります。(突然の番宣)
頭を切り替えて頑張ります!



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